こんにちは。トイレを我慢して「ポメラ」触ってます。
「急に後ろから声をかけられるとビックリする。」
誰でもこの経験があると思います。僕も東京に来てから経験しました。
忘れもしません。
あれは夏の終わりの頃だったと思います。相方の平山さんとのネタ合わせを終えた僕は汗をサッパリ流そうと近くの銭湯に行くことにしました。銭湯に着いた僕は料金を払い終え、着替えや携帯などをロッカーに入れて準備万端。
曇りガラスを開けた裸の僕はいつものルーティンの如く体を洗っていました。僕は銭湯の汗とともに疲れが流れていく感覚が大好きなのです。しかし歯磨きをしている時でした。
隣に座っている男性に違和感を覚えます。
見ている。
体を洗うわけでもなく、鏡をのぞくわけでもなく。
見ている。
見た目は22歳くらい、短髪で中肉中背。普通にイケメンの男性です。僕はその視線に耐えれなくなりその男性に話しかけました。
「どうかしましたか?」
すると男性は満面の笑みを浮かべ、
「君よく来ているよね!?僕と風呂友にならない?」
と言ってきました。
僕の中に「いい人だった!」という安心感と「風呂友?」という疑問が同時に生まれました。
「風呂友・・ですか?」
僕は「いい人で安心しました!」と安心感をぶつける訳にもいかないので、疑問の方をぶつけました。すると男性はその笑顔を崩すことなく、
「風呂友はね、銭湯で仲良くお話したりするんだ!それでね、もっと仲良くなったらご飯に行ったりお互いの家に遊びに行ったりするんだよ!ねえ!君の名前はなんて言うの?」
僕の中に新しく「うぁぁぁ!」という恐怖が生まれました。こんなに怖い「君の名は」は初めてです。
僕は反射的に本名を答えました。そこから「今何をしているの?」「年齢は?」「どれくらいの頻度でこの銭湯に来るの?」など流星の如く質問攻めされました。
そして最も恐れていた質問がきました。
「これから連絡取れるようにしなきゃね!電話番号おしえてよ!」
女性がナンパを嫌がる訳です。怖すぎる。しかもこのお互い全裸という空間が恐怖を倍増させているのです。
「すみません。今日携帯持ってきてなくて番号分からないです!」
僕は嘘をつきました。
「・・・・・・・・・なら仕方ないね。」
男性はなんとか分かってくれたようでした。しかし、質問攻めが終わる訳ではありませんでした。僕は少しずつイライラし始め話の途中で、
「すみません!もう僕出ます!この後予定あるんです!」
と言い放ちました。何かを男性は言いかけていましたが僕は体についた泡を流し、逃げるように脱衣場に行きました。
「ふぅ~~。」
僕の中に「一安心!」という安心感が充満します。ゆっくりとロッカーを開け帰りの準備をしました。着替え終えた僕はロッカーの中に残っている携帯に手を伸ばしました。すると後ろから、
「持ってんじゃん。」
僕の後ろには体も拭かず全裸のまま立っている男性がいました。その顔にあの笑みはありませんでした。
その後は早くその空間から出られればいいと携帯番号を交換しすぐに帰りました。あの日以上に湯冷めした日はありません。
その銭湯には今でもたまに行っていますが彼に会うことはありません。しかし毎回ロッカーから携帯をとろうとする度に思い出すのです。
「持ってんじゃん。」
さあ!!風呂といえば!今月もあります!スクールJCA火木土クラス主催ライブ「風呂」!
アツアツのライブ!取り置き!お待ちしております!!!
それでは。また更新します。