こんにちは。
前回の続きの内容です。
”900円”という大金を使い、『稲城南山』という崖がある稲城駅にやってきた坊主。
※イメージ
ネットの情報によれば駅から徒歩7分。
難しすぎて諦めかけていたブログのテーマがすぐ近くにあるのです。
待ってろよ・・崖!!!
そう思いながらGooglemapに『稲城市営グランド』と入力したのでした。
(念のためと写真を2枚撮るが全く意味の無かった人の写真)
偽りの記事
Googlemapを見て驚愕しました。
なんと駅から稲城市営グランドまでは約3㎞。
歩いて約30分かかると表記されているのです。
徒歩7分?
この記事を書いたのは競歩選手か?
そんな事をずっと考えていました。
が、すぐに無駄だと悟り、普通に”一般人のスピード”で崖に向かい歩いて行きました。
しんどい。
かなりしんどい。
その日は午前中に雨が降ったせいか全体的にジメッとしており、ぴちぴちポロシャツを着ていた中肉中背の身体から汗が出るのも、歩き始めてすぐの事でした。
しかしこの先には崖がある。
僕は人類初【崖をモチベーション】にひたすら歩くのでした。
(暑すぎて真顔の中の真顔になってる人の写真)
おじさんと崖
汗だくになりながらも目的地に到着した僕。
「目的の稲城南山はどこだ」と当たりを見渡します。
あれ?
あれれ?
あれれれ?
場所を間違えたと思い、もう一度Googlemapを開きますが、間違いはありません。
ドユコト?
放心状態の僕は、近くにいた【人見知りでも話しかけやすいタイプのおじいちゃん】に話しかけました。
「あの~この辺にある『稲城南山』っていう山知ってますか?」
「ああ、南山ね」
(良かった!知ってる人だ!)
「あの~どこにあるか教えてもらってよろしいですか?」
「もう無いよ」
「はい?」
「南山はもう無いよ」
「・・・・え?」
僕は信じれませんでした。
だって僕たちが今、話しているのは【崖】の話です。
【老舗の中華料理屋】ではありません。
「もう無いよ」じゃないよ。
「いや~、何か勘違いされてるかもしれませんが、稲城南山っていう”崖”ですよ?」
「結構な高さのある崖でしょ?」
「あーはい!恐らくそれです!」
「無いよ」
「え・・・・じゃあ本当に稲城南山は?」
「無いよ」
「崖は?」
「無いよ」
「・・・本当に」
「無いんだよ」
リアルに上記くらい、しつこく聞いてしまいました。それほどショックだったのです。
記事を見返してみました。
2005年。
14年前の記事を鵜呑みにした僕が悪かったのです。
14年も経てば、川は埋められ、山は削られていきます。
僕はそこで初めて【崖は無くなるもの】という事と【『平成狸合戦ぽんぽこ』には強いメッセージが込められていた】という事を感じるのです。
完全に力の抜けきった僕は、ベンチに倒れるように座り込みました。
何のために来たんだ・・・。
こんな玉袋みたいな顔になるのも当たり前。
今のところ僕は【900円で知らないおじさんと話した】だけなのですから・・・。
おじさんの提案
完全に心の折れた坊主。
このブログテーマはお蔵入りかなぁ。
そう思っていると先程、崖が無くなった事を教えてくれたおじさんが近づいてきました。
「もしかして稲城南山に登るためだけに来たのかい?」
「まあ、そうですね・・・」
「ああ、そうか・・・・・・南山は街の開発でね・・・悲しい話だよね」
おじさんも崖が無くなり悲しんでいる様子でした。僕と同じ心境なのです。
「でも目的の崖が無いとなっても、この稲城には他に何も無いからなぁ・・・」
「そんな!そんな!気にしないで下さい!!!」
なんとおじさんは、同じ気持ちの僕に同情したのか、他の稲城の楽しめる場所を考えてくれていたのです。
するとおじさんは急に叫びました。
「あ!そうだ!あの店は有名だぞ!」
「え!?有名な店があるんですか!?」
これは思いがけない収穫でした。
流石に【知らないおじさんと生トーク 900円】は高すぎます。
それに何よりブログになりません。
ブログの記事になる良いネタだったら何でも良い!
期待を胸に僕は聞きました。
「え!?何か有名なお店があるんですか!!?」
「まってね・・・名前が思い出せないんだよ・・・いつも行列が出来てるんだけどねぇ」
行列!!?これはもしかしたら【崖】より良いかもしれない!!
「名前は絶対聞いたことあると思うんだ・・・」
そんなに有名なものが!ここ稲城に!?
「・・・・あ!思い出した!!!」
お願いします!!!!!
「スシローだわ」
『スシロー』でした!!!!!
おじさんが僕にオススメした稲城の有名店は『スシロー』でした!
おじさんが【常に行列が出来ている】と言っていたのは『スシロー』でした!
僕がわざわざ電車賃をかけて行った稲城にあったのは、崖ではなく『スシロー』でした!
「あ・・・・ありがとうございます」
「スシローは美味いぞ!スシローは数年前に出来たんだけどな、よく行くんだよ!」
そして、このおじさん。全く都市開発に悲しんでませんでした。
「スシロー!是非行ってみてくれ!じゃあ!」
スシローおじさんは、そう言うと離れていきました。
良いネタだったら何でもいいとは言ったけどさぁ。
覚悟
もともとお金がもったいないと思い、この稲城という街にやって来た。
それが間違いだったのだ。
高くても良いから【3000円の崖】に行くべきだったのだ。
今の状況を考えてみろ。
900円使って知らないおじさんと話し、スシローを勧められている。
なんだこれ。
夢か?
これ夢の話か?
僕はブログのために最後の力を使い、頭をフル回転させました。
他の崖を探す?
稲城で別の名所を見つける?
このテーマ自体諦める?
僕の出した答えは・・・
『スシロー』でした!!!
見て下さい!金欠の男が、金の事を無理矢理忘れ、マグロを口に運ぶ姿を!
哀れでしょう!でも美味かったんですよ!
この時のマグロ!!!
「言っただろう!スシローは美味いんじゃ!」
「スシローおじさん!」
それから、食べれるだけ良いネタを食べ続けました。
数十分後・・・
稲城駅前の僕の財布の中には、帰りの電車賃がギリギリ残っている状態でした。
今月も崖っぷちの生活になりそうです。
49%の崖マニアの皆さん。いかがだったでしょうか。
これが今回の崖ブログの全てです。
余談ですが、この間、ライブに来てくださったお客様に、
「大岩さんのブログの終わり方は気持ち悪いです」
とハッキリ言われました…。
もしも崖が本当にあったら危なかったです。
それでは。また更新します。